COLUMN
2017.10.10
予防を究める―問いかける―
予防歯科関連書籍から、臨床現場で役立つヒントをご紹介します。
「患者にむし歯ができる理由について何だと思っているのかを尋ねることから始めよう。ほとんど何も知らない人もいれば、よく知っている人もいる。そうすることで、あなたはその患者がむし歯の原因についてだいたいどのくらい知っているのか、そしてその患者がもっと知りたいと思っているのかどうかを見出すことができる。」
ベンクト・オロフ・ハンソン/ダン・エリクソン (2014). トータルカリオロジー p.97
1日1回だった歯磨きを2回に増やす。3列ブラシだけ使っていたのを、リスク部位にワンタフトブラシをプラスする。歯磨き時に鏡を見るようにする。そんな歯の健康につながる「良いこと」をいくら伝えても、患者さんの生活習慣をいきなり変えることは難しいものです。一方的に情報を伝えるのではなく、まずは問いかける。問いかけることで、どんな方法がベストなのか、何が問題になっているのかを探ることができます。また、患者さんも自分がやっていることに気づくため、歯磨きに関心を持つようになります。
トータルカリオロジー
スウェーデンの歯科医師や歯科衛生士が「たまご」の時代に使う教科書の完訳版です。