COLUMN
2018.03.10
予防を究める―選択―
予防歯科関連書籍から、臨床現場で役立つヒントをご紹介します。
「患者が主体となり能動的であることが重要である。栄養・食事頻度・口腔衛生・フッ化物利用に関する場合、変化に伴う長所と短所について患者にリストを作らせることが有用な場合が多々ある。そうすると、その患者は静観して判断できる。歯科医療従事者は患者に押し付けてはならない。患者に考えさせ、患者が受けた中立的事実に基づいて選択させる。状況を自分がコントロールしているのだという感覚が重要である。むし歯を避けるために生活習慣を変える意思がどれくらいあるのか、それを決定するのは患者以外の誰でもない。それはその患者にとって重要な決定であり、動機は自発的に生じなければならない。」
ベンクト・オロフ・ハンソン/ダン・エリクソン (2014). トータルカリオロジー p.97
健康のためとはいえ、長年の生活習慣を変えることは難しいもの。一日の変化ではなく継続的な変化をもたらすためには、誰かが一方的に改善を指示するのではなく、患者さん自身が情報に触れて何を行動に起こすか自ら選択することが大切です。
トータルカリオロジー
スウェーデンの歯科医師や歯科衛生士が「たまご」の時代に使う教科書の完訳版です。