COLUMN
2018.05.10
予防を究める―カリエス誘発効果を軽減―
予防歯科関連書籍から、臨床現場で役立つヒントをご紹介します。
「チーズは、カリエスから防御する成分を高いレベルで含有している。それらはリン酸とカルシウムである。また、乳漿タンパクつまりペプチドは、とりわけミュータンスレンサ球菌の歯面への付着を妨害する。咀嚼することでさらに唾液分泌を促し、唾液がよりアルカリ性に傾くので、プラーク中の酸の中和を促す。加えて、糖類が口腔内から素早く排除されることも利点である。よって、チーズで食事を終わらせるのはカリエス予防にとってよい方法で、特にドライマウスの人に有利である。」
ベンクト・オロフ・ハンソン/ダン・エリクソン (2014). トータルカリオロジー p.54
チーズに含まれるリン酸やカルシウム、お茶類に含まれるフッ化物、ココアやワインに含まれるポリフェノール、牛乳などに含まれるプロバイオティクス。食品に含まれる「成分」には、炭水化物のカリエス誘発効果を軽減するものがいくつかあります。
トータルカリオロジー
スウェーデンの歯科医師や歯科衛生士が「たまご」の時代に使う教科書の完訳版です。