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COLUMN

2018.07.10

予防を究める―ミュータンスレンサ球菌の伝播―

予防歯科関連書籍から、臨床現場で役立つヒントをご紹介します。

「ミュータンスレンサ球菌が口腔内で定着するためには、繰り返し授受の機会があること、つまり細菌が入ってくる機会があり、状況が細菌にとって好ましいこと、例えば、親が味や温度をチェックするために口をつけたスプーンで、ベビーフードを直接そのまま赤ちゃんに与えるなどの条件が必要である。その食べ物が糖類で味付けされていたら、伝播のリスクはさらに高くなると予想される。

また、他人と口と口との接触、例えばキスも重要である。

しかし、ミュータンスレンサ球菌が定着するには、歯も重要である。ミュータンスレンサ球菌の定着に最も感受性が高いのは、1歳半から2歳半の間の子どもである。この時期には歯が萌出し、他の細菌種がまだ安定した生態系を確立していない。ミュータンスレンサ球菌の伝播元は、この時期に子どもと最も時間を多く過ごす人―通常、母親である。」

ベンクト・オロフ・ハンソン/ダン・エリクソン (2014). トータルカリオロジー p.49

むし歯は感染症です。子どものむし歯予防のために、糖の摂取を控えたり、仕上げ磨きに力を入れる親は多いですが、家族の口腔内の細菌にも目を向けることが大切です。

コラム(トータルカリオロジー)

トータルカリオロジー

スウェーデンの歯科医師や歯科衛生士が「たまご」の時代に使う教科書の完訳版です。

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