COLUMN
2018.09.10
予防を究める―酸を生産し続ける菌―
予防歯科関連書籍から、臨床現場で役立つヒントをご紹介します。
"ミュータンスレンサ球菌はまた、菌体内に多糖の形でエネルギーを貯めておくこともできる。(菌体内多糖)。エネルギー貯蔵のための多糖は、食事由来の糖類が入ってこない期間に細胞内で使われる。"
ベンクト・オロフ・ハンソン/ダン・エリクソン (2014). トータルカリオロジー p.46
多くの患者さんは、「砂糖=むし歯につながる」と考えています。でも、たくわえた糖を使って酸を生産し続けることができるのがミュータンスレンサ球菌です。単に「歯磨きを頑張りましょう」と伝えただけではむし歯を予防することはできません。だ液検査などを用い、一人ひとりの患者さんがどのくらいミュータンスレンサ球菌があるのかを知ることで、細菌に対する対策をたてることが大切です。
トータルカリオロジー
スウェーデンの歯科医師や歯科衛生士が「たまご」の時代に使う教科書の完訳版です。