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2024.08.09

CNNにて報じられたキシリトールの安全性について

健常者がう蝕予防を目的にキシリトールを摂取することは問題ない。

先日CNNによってEuropean Heart Journalに掲載された「キシリトールは血栓形成促進性があり、主要心血管イベント(MACE)と関連している」と題した新しい研究から、この論文の要旨である「キシリトールを大量に摂取すると、心臓発作・脳卒中・死亡のリスクが最大2倍増加する可能性がある」ことが報じられました。

今回の研究では、健康な人が30gのキシリトールを溶かした水を2分間で飲んだ場合の血中のキシリトール濃度が測定され、その濃度を想定して試験管の実験で血栓が生成しやすくなることを確認しています。

むし歯予防や口腔の健康のために使用するキシリトールは、1日5~10g(当社【歯科専用】キシリトールガムに含まれるキシリトールは1粒1.3g)。噛んだり舐めたりしてゆっくり摂取しますので、論文の摂取方法とは全く異なります。

したがって、論文に記載されているような血中のキシリトール濃度が異常に高くなって血栓が形成されやすくなる可能性は低いと考えます。

しかしながら、今まで通り浸透圧性の下痢を防ぐという観点から、一度に多量に摂取することは避けていただきますようお願いいたします。

上記見解が、皆様が安心して患者さんにキシリトールを提案できる一つとなることを願っています。

※1975年に発表されたTurku Sugar Studyにおいて、砂糖を完全にキシリトールに代替したグループは【2年間にわたり1日平均67g(最大200g以上)のキシリトールを摂取しましたが、研究機関終了後の血清学的検査において健康被害は報告されていません。

日本フィンランドむし歯予防研究会の見解
https://jfscp.gr.jp/